
家事按分をするかしないかで
手元に残るお金が変化します。
「家事按分」とは、
個人の経費(家賃や持ち家ローンの利子など)を
「事業としての利用割合に応じて経費に出来ますよ」
という仕組みです。
基本的に、
「家での作業がある場合」
家賃の半分は経費計上可能です。
また
自宅での作業時間が増えるような事業ほど、
家賃や水道光熱費を経費にできる割合は増えます。
按分割合の判断基準は、「経営者」にあります。
ですから、妥当な基準であれば
主観で按分割合を決めることが可能です。
こちらの記事では、
家賃の家事按分の比率はどのように算定するのか
や
持ち家の場合や職業など、
事例に合わせて紹介していきます。
→個人事業主は確定申告しないと損。赤字を繰り越し、来年の利益を圧縮しよう
目次
按分割合は、自分で決めていい
家事按分の割合、つまり
「家賃の何%を経費とするか」については、
経営者の判断で決めていいということになっています。
ですから、
あなたの判断で「60%経費だ」と決めても
税務署に怒られません。
ですが、どんな基準で決めたら良いか迷いますよね。
そこで、一般的な判断基準をお伝えします。
家事按分の判断基準例
・時間
自宅で作業を行っている時間で割合を決めます。
例えば、あなたが、主に平日の夜と休日の半日に
自宅で仕事をしている場合。
およそ30%〜40%は、経費割合として妥当な数字といえるでしょう。
・日数
自宅で作業を行っている日数で割合を決めます。
例えば、平日は主に外出して外で業務。
土日だけ、家で事務作業をしているのであれば、
7分の2、つまり30%は経費として計上しても大丈夫です。
・使用面積
自宅で作業を行うスペースの面積によって割合を決める方法です。
例えば、
100㎡の自宅の中で、作業部屋の割合が20㎡あれば、
20%〜30%は、経費として計上可能です。
基本的に家での作業があるなら5割は妥当
上記でもお伝えしましたが、
按分の割合は、一定の基準を設けていれば
経営者の判断で問題有りません。
ですが実は、
大半の事業者さんは
50%以上は家賃とすることは可能です。
なにも経営者は作業をするだけが仕事では有りません。
日々自宅でぼんやりと座って未来の構想や
事業計画を頭で考えたりするでしょう。
これも一つの作業です。
ですから、
例え使用日数で按分割合が30%と出ても、
上記の通り、未来展望考える時間を加味すると
50%は妥当と言えます。
ぜひ参考にしてみてください。
持ち家の場合は固定資産税やローンの利子を按分する
「持ち家だから家事按分は意味がない」
と思っているあなたは、損をしますよ。
持ち家でも家事按分できる経費はいくらでもあります。
ざっくりとあげてみても
- 住宅ローンの利子
- インターネットなどの通信費用
- 水道光熱費
- 住宅に掛かる固定資産税
- 住宅に掛かる火災保険料
などなど。
これらの経費は、どれも家事按分で
事業の経費として計上可能です。
按分割合も上記の方法を使えば
50%は計上することができるでしょう。
ところで
50%以上の按分割合が可能な事業って
どんなものがあるのでしょうか?
按分割合が50%以上を狙える、職業別の事例
それでは、職業ごとに見ていきましょう。
アフィリエイト・ブロガー・請負の記事書きなどの執筆者
こちらの方々は、
もし自宅での作業が多い場合、60〜70%は妥当と言えるでしょう。
また、自宅の面積が小さく、ほとんどが作業スペースと言えるのであれば
90%も狙える範囲です。
ただし、全額は厳しいです。
全額経費計上となりと、税務署も目を光らせだします。
アマゾンや楽天市場などの転売業
こちらの方々は、
自宅のほとんどを倉庫代わりに利用している場合、
70〜80%は狙えるでしょう。
執筆の方々との違いは、
「買付や仕入れで外出することもあるから」です。
もしあなたが、ほぼ自宅で作業をしていて
かつ、自宅の大半のスペースを在庫置き場等に利用している場合、
90%も狙えるでしょう。
不動産業やコンサルタント業など外出が多い事業
外出が多い事業の場合、
50%が限界と考えます。
こちらの業種の方々は、
外に出ることが多いと、税務署も知っていますので、
あまり目立った按分はしない方が吉です。
ですが、
あなたが在宅での作業が多いと判断する場合は、
50%以上も狙えるでしょう。
では、按分比率はわかりましたが、
実際にどのような仕訳を行っていくのでしょうか。
按分の仕訳は「事業主貸」で行う
按分の仕訳は、「事業主貸」という勘定科目を使用します。
事業主貸は、
「事業が事業主に対して貸したお金」という意味合いがあります。
もうすこし噛み砕いてお伝えすると、
事業と経営者であるあなた個人は別々の存在であり、
事業「1000円払うけどこれは、私生活分な^^」→事業主貸
↓
事業主「了解や」
というようなものです。
つまり、
事業主貸や事業主借という勘定科目は、
「事業と関係のない収支」の際に使用する
勘定科目、ということになります。
それでは、家事按分の仕訳例を見ていきましょう。
例.家賃10万円の内、60%を経費とし40%を私生活とした。
地代家賃 60,000円 / 現金 100,000
事業主貸 40,000円
上記の例の場合、このような仕訳を切ります。
「現金」の箇所は、
「普通預金」に変わったりします。
上記でお伝えしたとおり、
40%分にあたる40,000円分の経費は、
私生活の支払いとみなし、
「事業主貸」で計上します。
このような家事按分を
原則的には、家賃や光熱費を支払う度に
仕訳を行う必要があります。
ちょっと面倒くさいと感じた方に、朗報です。
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まとめ|小さな経費の積み重ねが大切
家事按分は、
面倒くさい作業に感じられるでしょう。
ですが、
起業したてや事業年数が浅い場合は、
このような小さな経費の積み重ねが大切です。
なぜなら、
手元に実際に残るお金の金額が変わりますからね。
こちらの記事にも
個人事業主の方が慣れない経費について
解説しています。
→個人事業主の確定申告|経費の判断基準は『事業との関連性とあなた次第』
ぜひ参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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